「ハラルフード」とは、規制が多いイスラム教の信者が食べることを許されている食事です。
しかしそのヘルシーで健康的な「ハラルフード」が今海外で注目されています。
日本ではまだ馴染みの薄い「ハラルフード」ですが、その効果とは一体どんなモノがあるのでしょうか?
今回は「ハラルフード」について詳しくまとめてみました。
そもそもハラルフードとは?
「ハラル」とはアラビア語で「許された」という意味があり、「ハラルフード」は、イスラム教の厳しい法律に従って食べることが許されている食事です。
私たちの周りにもベジタリアンと呼ばれ肉類を口にしない人はいますが、イスラム教徒は、豚肉や酒類はもちろん、魚類や牛や鶏もイスラム教の作法に乗っ取って解体・精肉されていないモノは食べることができません。さらに豚肉のエキスが配合されている調味料や、アルコール成分が含まれている味噌や醤油に至るまで使用が禁じられているのです。
日本に住んでいるイスラム教徒もいますし、日本人にもイスラム教徒は存在するので、現在はイスラム教で許された商品に対しての「ハラル認証」の容認が日本でも広がってきています。
ハラルフードの代表料理「フムス」
そんな規制の厳しいイスラム教徒の間で主食となっているのは、「ひよこ豆」を茹でてペースト状にして、にんにくやゴマ、オリーブオイル、塩、レモンなどを加えた中東の伝統的料理である「フムス」です。
原料を見れば一目瞭然ですが、フムスは100%植物性なので、世界中のベジタリアンやダイエッター達から注目されている料理でもあります。
日本ではあまりなじみがないですが、アメリカのスーパーマーケットには必ずと言ってよいほど置いてある一般的な食べ物で、特にベジタリアンにとっては貴重なたんぱく源とされています。そんな低カロリー・高たんぱくな「フムス」が、流行の発信地ニューヨークでも話題となり、レディ・ガガなども美容のために食べていると紹介されたのをキッカケに日本でも注目を集めるようになりました。
フムスの栄養価と効果
栄養価
フムスが注目されるようになったのは、やはりヘルシーさと栄養価です。
豆類は全般的にヘルシーで栄養価が高いですが、ひよこ豆は特にカロリーや脂質が少ない割に「食物繊維」が豊富に含まれているという特徴があります。ひよこ豆に含まれている食物繊維は水に溶けないので、体内に入ってから水分を吸収し大きく膨張します。その結果満腹感を得ることができますし、腸を刺激して働きを活発にしてくれますし、便の量を増やしてくれることから、便秘解消に大きな効果を発揮します。
他にも「ビタミンB群」「ミネラル」「イソフラボン」と特にダイエット中の女性にとっては嬉しい栄養素が豊富に含まれていますよ。
効果
便秘解消の他にも、にんにくに含まれている「アルギニン」で基礎代謝アップ、ひよこ豆の「ミネラル」でむくみ改善、骨を丈夫にする、オリーブオイルに含まれている「オレイン酸」で中性脂肪をつきにくくする、ゴマに含まれている「セサミン」で脂質の代謝を抑えるなど、美容と健康のためには欠かせない効果が期待できます。
さらに有害物質である「ダイオキシン」を体外に排出するなど、デトックス効果もあるので、毎日食べることで徐々に体質が改善されていくでしょう。
フムスの作り方
「フムス」は家庭料理なので、自宅で簡単に作ることができます。
(材料) ひよこ豆(茹でたモノ) 1カップ
ひよこ豆のゆで汁 大さじ2
オリーブオイル 大さじ2
にんにく(小さめ) 1片
ゴマペースト(練タイプ) 小さじ5
レモン汁 小さじ4~5
塩 小さじ1/4
ひよこ豆とにんにくをペースト状になるまでフードプロセッサー、マッシャー、すり鉢などでつぶします。
オリーブオイル、ひよこ豆のゆで汁、ゴマペースト、レモン汁、塩を加えて、さらに滑らかになるまで混ぜ合わせて、味見をしながらレモン汁や塩で自分好みの味に調節していきましょう。
パンやクラッカーにつけたり、野菜スティックのディップとして食べられることが多いですが、日本人らしくご飯代わりとしておかずと一緒に食べても良いですし、ハーブやカレーなどのスパイスを混ぜてオリジナルのフムスを作ってみるのも良いですね。
コスメにも利用できる
イスラム教徒が多いマレーシアには、イスラム教徒が食べることができる食べ物に「ハラルマーク」が貼られていますが、コスメにも同じシールが貼られている商品があります。
これは「ハラルコスメ」と呼ばれ、豚に由来するたんぱく質や酵素、アルコールなど、イスラム教徒が摂取することを禁じられているモノが含まれていないコスメだということを意味しています。
代わりに真珠や生姜と言った天然の成分が配合されているので、美肌や保湿に効果があるとイスラム教徒以外からの人気も高く、ナチュラル志向の女性から強い支持を得ているので、日本での販売が待ち遠しいですね。
フムスのアレンジレシピ
毎日の食生活に取り入れたいフムスですが、飽きないようにするためには多少アレンジするのもポイントです。
旬の野菜で作るフムス
枝豆やトウモロコシなど、旬の野菜を使ってフムスを作れば、栄養価も上がるうえに色鮮やかなフムスを楽しむことができますよ。今回は鮮やかな濃いピンクの野菜「ビーツ」を使用したフムスのレシピをご紹介します。
(材料) 4人分
ビーツ 中くらいのを1個
ひよこ豆の水煮 1.5カップ
にんにく 2片
オリーブオイル 大さじ2
ゴマペースト 大さじ1
レモン汁 小さじ1
塩 小さじ1.5
クミンパウダー 小さじ1
ビーツとひよこ豆をフードプロセッサーに軽くかけてから他の材料を入れて滑らかになるまで混ぜ合わせましょう。
ひよこ豆以外で作るフムス
ひよこ豆が苦手だという人には、他の豆類やイモ類で代用することができますよ。ひよこ豆が売っていないという場合便利な和風テイストの「里芋のフムス」をご紹介します。
(材料) 4人分
里芋 250g
木綿豆腐 200g
白みそ 大さじ4
にんにく 1片
レモン汁 1個分
オリーブオイル 50cc
ゴマペースト 大さじ2
カイエンペッパー 少々
塩 小さじ1.5
木綿豆腐はあらかじめ水気を切っておきます。すべての材料をフードプロセッサーに入れて滑らかになるまで混ぜ合わせれば出来上がりです。
ナチュラル志向のハラルフードでヘルシー生活!
現在の日本は飽食になり過ぎていますが、それに伴って生活習慣病などの悪影響があることも事実です。
それに比べて「フムス」などのハラルフードは非常にヘルシーで栄養価も高いので、美容と健康のために是非食生活に取り入れてみて下さい。
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