格闘漫画の元祖 北斗の拳

日記

北斗の拳は昭和末期にスタートした作品ですが、まさしく時代を先取りした格闘漫画でした。誰もが聞いたことがあるであろうオープニングのフレーズ「199X年、世界は核の炎に包まれた」。核戦争の狂気を孕んだ世紀末を描いた作品です。

時代を先取りした作品

幼いながらも世界が核戦争でこのような時代が来るのではないかと恐れたことも覚えています。そして覚醒その後、暴力と力が世界を制圧すると言う混沌とした時代。そして、世紀末救世主伝説として混沌とした時代を拳法と愛の力で統治していく主役のケンシロウの存在。そして、ケンシロウが地上最強の男として成長していくために、様々なライバルの存在を抜きにして北斗の拳の魅力は語れません。この時代背景とキャラクター設定は当時の漫画としては群を抜いて未来を予測したものであったと思います。現在も数ある格闘漫画やアクション漫画が北斗の拳が原点であったと言っても過言ではないでしょう。

ライバルたちのキャラクターが際立つ作品

北斗の拳は一子相伝の北斗神拳の伝承者であるケンシロウが様々なライバルと戦うことによって最強の男になります。そしてそのライバルたちを強敵【友】と呼ぶことでケンシロウの心の中にも生きていきます。

様々な強敵が連載の中でも際立った存在感を示しますがその中でも最もファンが多かったのが北斗神拳の長兄ラオウです。世紀末覇王として、恐怖と暴力で世界を制圧しようとしました。しかし、最終的には覇権を握るに至るが愛を持つケンシロウに倒されます。実はラオウは世紀末覇王は恐怖でしか制圧できないことを理解していた。しかし、世紀末に平安をもたらすのは最終的には愛の力であるとわかっていたのです。だからこそ、ケンシロウに倒され、天に登る際にも「我が生涯に一片の悔いなし」と名言を残して去っていくわけです。

他にも様々な思いを持った格闘家たちがケンシロウとともに時代を駆け巡る。それが大きな魅力の1つでした。

連載終了後も派生作品を生み出す

北斗の拳は多くのファンを後世に残します。そして様々なスピンオフ作品が制作されます。ラオウの生涯に焦点をあてた作品やケンシロウが愛する唯一の女性ユリアの生涯に焦点をあてた作品などがそれにあたります。また、今では当たり前ですが当時ではまだまだ一般的ではなかったクラウドファンディングの仕組みを使って北斗ファンドを立ち上げ、映画を制作した事は非常に画期的でした。

また、北斗神拳そのものをテーマにしてケンシロウより三代前の伝承者である霞拳志郎を主人公にして舞台を1800年代の上海にした作品も描かれています。

このように連載が終了して、30年以上が経った今もアニメ、漫画、映画とさまざまなところで時代を超えて作品が制作されていることからも、広く愛されていることが分かると思います。

これからも北斗神拳、北斗の拳をさまざまな媒体で描いて欲しいとファンとしては願うばかりです。

時代を超えて読み継がれて欲しい作品

北斗の件は既に連載が終了して30年以上がたちます。

友情、愛、男としてあるべき姿、戦争の凄惨さなど時代をこえても人間が必ず守っていくべきもの、大事にすべきものを幅広く包含しています。

もちろん、格闘漫画としての魅力は素晴らしいものがあり、「経絡秘孔を突くことで体の内側から破壊する」「気功法により、気を離れたライバルに打ち込む」というコンセプトはかなり新しいものです。今もこの作品をベースにしている作品は多いはずです。

しかし、格闘漫画の要素よりも前述の人間として時代を超えて伝えるべき要素を重んじるべきだって個人的には考えています。

単なる漫画ではなく、大袈裟ですが文化として捉えてもよい作品だと個人的に感じています。

北斗の拳の魅力を時代を超えて伝えたいという思いは全てのオールドファンの願いでもあります。この想いがある限り、まだまだ北斗の拳の歴史は続いていくのではないかと信じています。

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